チューリッポマニア
今月のレッスンテーマはチューリッポマニアでした。17世紀オランダのチューリップ愛好家たちをイメージしたクラシカルなアレンジです。いろいろなチューリップを活けて、しばしチューリッポマニアの気分をお楽しみいただきました。
チューリッポマニアについて・・
17世紀前半、スペインから独立したオランダは、世界貿易の覇者となり、首都アムステルダムは金融経済の中心になりました。
ちょうどこの時、オランダにチューリップが上陸しました。栽培が難しかったせいで当初は貴族や大商人のステイタス シンボルとされましたが、その人気はすぐに市民階級に広がり、誰もが本業を忘れて品種改良や球根の取引に夢中になりました。
特に珍しい球根は高値を呼び、センペルアウグストゥス という白地に赤い縞がはいった品種(ブロークン種)は世界で最も高い値が付きました。
しかし、これはウィルス性の病気によるものであり、感染するかしないかも未定、生命力も繁殖力も弱い、という不健康な滅びの美しさでありました。病気であることがわかるのは、このずっと後のことでした。(現在はウイルス性のものは出回 っておりません。ご安心ください。)
そしてついに1637年2月3日、最終的に買い手がつかなくなり市場は突如崩壊、数千人の人々が一夜にして無一文になりました。こうして人類史上初の投機バブルである「チューリップバブル」は起こりました。
花の美しさは時に人を狂わせてしまうのですね。。
今回のアレンジは、チューリップの茎の曲がりをそのまま活かしてS+逆Sの字型(小文字のf型)に活けていただきました。花器もチューリップ型です
3週間にわたるレッスンでしたので、仕入れ状況により花材が変わり、それぞれ違ったイメージのアレンジが出来ました。
また、花の長さや選び方は各自にお任せしましたので、同じ花材でもまったく違った印象のアレンジになりました。皆それぞれご自分にあたった花の癖を活かして、とても上手に活けてくださいました
チューリップはせっかくSの字型に活けても、翌日には茎の角度が変わったり長さが変わったりします。でも毎日その表情を変えて私たちを楽しませてくれます。Hちゃん曰く、「これは動くアレンジですね」 なんて可愛い表現でしょう!
今回のレッスンで、可愛いチューリップの意外な裏の顔(?)も知り、またさらにその魅力にとりつかれました♪
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